・葛粉は、葛というマメ科の植物から作られます。

 

・全国各地の山野に、ごく普通に見られる大形のつる性草木。

生命力が強く、他の木に巻き付くと、やがてその木は枯れてしまいます。

しかし、ヤマイモに似た形の大きな塊根からは、葛粉と呼ばれる澱粉(でんぷん)が多量にとれます。

 

・吉野葛の原料となる葛は、秋の七草の一つで、初秋に紫紅色の花を咲かせます。

 

・古くから大和は葛の名産地としてよく知られ、「葛」の名は吉野の「国栖(くず)」に由来するとも言われています。

また、伝説によれば7、8世紀の頃、大和葛城山にいた修験道の祖・役小角(えんのおずぬ)が、

吉野の山奥で修行中、草根木皮を摂取して飢えをしのいだが、そのとき葛の根から澱粉をとり、寒水にさらして、

長く貯蔵することを考えだしたのが、吉野葛の起こりとも考えられます

日本では、万葉集や古今和歌集の中で歌われるほど、親しまれた有用植物で、

葛粉は澱粉全体の代名詞ともなっていた。とくに吉野葛は良質で、葛を用いた料理には「吉野仕立て」といわれるほどです。